「数分間のエールを」と、上映後のぽぷりか/フレデリック登壇の舞台挨拶を観てきました。改めて、この映画を観て感じたことを記録します。

印象に残ったシーンの読解

冒頭のシーンで金沢駅の鼓門が映し出されてた。1回目の視聴の時は完全にスルーしてしまいましたが、石川県の舞台であるという刷り込みがあったので、2回目に観たときに気づきました。

ベースは重い。そんなものを振りかぶって人に叩きつけることができるので、萌美は体を鍛えているか、よほど怒りのエネルギーが大きかったのか。フレデリックのギタリストも、舞台挨拶で同じことを言っていて、「そうですよね〜」と少し嬉しくなりました。

自転車で織重先生を追いかけるシーン。盛大に転んでもう追いつけないかもと諦めかけて、でも「まだ分からないよな」と立ち上がるんだけど、根拠なしにそう言ったわけではなく、織重先生が千里浜に向かっていると予想したからだった。目的地が分かれば後から追いかけることができる。

夕暮れの千里浜にて、彼方の情熱にほだされ、一度は断ったMV作りを軽くほほえみながら許す織重夕。涙ながらに考えを伝える彼方と綺麗な夕暮れの映像も相まって、感動的なシーンだった。

夕暮れの千里浜

完成した2つめのMVは、1つめの爽やかなMVとは異なり、夕暮れ時のオレンジ色を基調とした少し切なくなる映像。主人公はどこか苦しそうにしていて、葛藤しながら絵を描いている。終盤は結んでいた髪が解けて、なりふり構わず絵を描く姿が印象的だった。そこまではおそらく「未明」の歌詞と曲のイメージを忠実に表現している。最後、絵を描き終えた主人公が、涙を流しながら笑い、上手くいかない現実も含めてこれまでの頑張りを肯定するような表情を見せる。そして白紙のキャンパスに向き合うシーンでMVが終わる。

彼方は、夢を諦めてしまった人の気持ちをまだ完全には理解できない。加えて、織重夕を心から応援したい気持ちがあった。だから、夢を諦めて別の道に進もうとする終わり方ではなく、続けることを選ぶ終わり方にしたのだと思う。

「未明」は夢を諦めてしまう歌だったのだけど、彼方の解釈(というより応援)によって新しい意味が生まれ、織重先生の心にも新しい光が差し込んだということですよね。彼方がんばった。

そしてエンディングのイントロにスムーズに繋がっていくのが、とても良かった。爽やかに劇場を後にすることができた。

織重先生の歌の印象が強くて聞き逃していたけど、劇伴も良い。3回目を見るときにはBGMにも注目して観ようと思いました。

舞台挨拶での印象

マスコミの人がしっかり撮影とかしてて、見ていて新鮮でした。勉強会の登壇みたいにゆるい感じのを想像していたのですが、結構フォーマルなイベントで良い意味で裏切られました。

ぽぷりかさんとフレデリックの考えや感想を聞けて面白かったです。

まとめ

「数分間のエールを」やっぱりすごく良かった。

初回では見落としていた部分に気づけたり、改めて感じたりすることがあるので、2回目以降も楽しめる。

映画は何度も見返すことができるけど、日常生活や仕事は一度きりの事が多く、実はたくさんのことを見落としているのかもしれません。もっと様々な事に目を向けて、丁寧に生きたいと思いました。

「数分間のエールを」の特典クリアカード